テニスは頭で理解する(イメージする)事が上達の早道ではありません。

今回はテニスの知識やノウハウについてお話ししたいと思います。

 

最近はインターネットが普及したおかげで情報を取るのは簡単です。
スマホで調べれば、大概の事は分かります。
youtubeで検索すれば動画だって見れちゃいます。
まさに情報が溢れています。

 

でも、実はこの情報が「テニスの上達の原因」と言ったらあなたはどう思われますか?

 

私はテニスを指導させていただいて35年を超えますが、テニスの上達が早い人には傾向があります。
それはテニスの知識を持っていないという事です。

 

つまり、初心者の方ほど、素直で上達が早く、壁がありません。
逆にテニスの知識をたくさん持っている人ほど、上達が遅い傾向があります。
知識が邪魔をして、身体が自由に動かないからです。

 

信じられないかもしれませんが、実は正しい知識や分かりやすいノウハウはテニスを難しくしてしまいます。
今回はそのあたりの事を書いてみようと思います。

赤ちゃんは歩く為の知識を持っているか?

まずは私が考える結論からお話しします。
私はテニスの上達には知識は必要が無いと思っています。

 

と言うより、むしろ、知識が多ければ、多いほど、上達しないと思っています。

 

例えば、赤ちゃんは誰に教わるわけでもなく、寝返りをし、ハイハイをし、そして、歩き始めます。
この時、彼等は歩く為の知識を持っているでしょうか?
そんな事はありません。
まだ、脳が発育途中の彼等がそんな知識を持っているはずがありません。

 

では、なぜ、知識やノウハウを知る事なく、歩けるようになるのか?
それは、自らの身体を使い「体験」をするからです。
実際に身体を動かし、色々な体験をする中で、全身のバランスのとり方を学び、こけずに歩く為の身体の動きを習得していきます。

 

私達の脳と身体にはこのように知識や情報が無くても、失敗の経験から学び、自然と目標とする動きを習得する自己修正能力が備わっています。
本来、テニスもこの能力を活用すれば、誰もが簡単に上達する事が出来ます。

 

ところが、残念ながら、大人になると、様々な知識やノウハウを手に入れます。
そして、これらがテニスの上達を阻害します。

経験と知識の違い

先ほどもお話ししたように赤ちゃんは「経験」によって自然と歩く事を身につけていきます。
ところが、大人の方はテニスを「知識」または「ノウハウ」で上達しようとしがちです。

 

では、この両者は一体何が違うのか?
実はこの二つには明確に違う事があります。

 

それは脳の活用する部分です。

 

経験は五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)または体性感覚を通して感じた事をイメージ情報として右脳に蓄積されていきます。
例えば、食事の経験は視覚で色彩を感じ、嗅覚で香りを感じ、味覚で味を感じます。
これらは右脳で情報処理され、イメージ情報として記憶されていきます。

 

歩くという動作も食事と同じように右脳で処理され、イメージ情報として蓄積されます。
またテニスの動きも同じように右脳で処理され、イメージ情報として蓄積する事で、段々とイメージした技術を身につける事が出来ます。

 

それに対して、知識はどうか?
例えば、動画で紹介されているノウハウは左脳で情報処理され、左脳に蓄積されていきます。
これは「経験」のように五感を通して得た情報ではないからです。

 

例え、動画の中で感覚やイメージの事が紹介されていようとも、実際には左脳で処理されてしまう訳です。
これはお料理の動画でどれだけ、詳細に味や香りの説明がされていようとも、実際にその味や香りを感じる事が出来ないのと同じです。

 

このように経験と知識では脳が処理する部分が全く変わってしまいます。
その為に、仮に情報や知識自体が正しくても、実際の経験を伴わない情報はテニスでは活用のしようがありません。
それどころか、逆にその情報によって、左脳が働く事になりかえってテニスは難しくなってしまうのです。

プレーヤーと評論家の違い

先ほどもお話ししたように「知識」と「経験」は全く違う物です。
いくら正しい情報でも、経験を伴わない物は知識でしかなく、テニスの上達には役に立ちません。
あたかもそれはプレーヤーと評論家の違いのような物です。

 

プレーヤーは実際にそのプレーを身につけた人です。
ですが、評論家は他人のプレーを分析、評価している人です。
いかに分析力に長け、正しい情報を抽出したとしても、実際にそのプレーが出来るわけではないのです。

 

例えば、錦織圭選手の技術をどれだけ詳細に注意深く分析したとしても、その分析者が錦織選手と同じプレーが出来るわけではありません。
もし、正しい知識や情報が得られれば、その技術を身につける事が出来るのであれば、分析者は誰もが錦織選手と同じ技術を身につける事が出来る事になります。
ですが、現実はそんな事は不可能です。

 

では、逆に錦織選手は自分の技術に対して、詳細な知識を持っているのか?
これは甚だ疑問です。

 

上級者ほど、身体に任せてプレーするので細かい技術に関する知識は持っていないからです。
その為に、実際に「どうやって打っているのか?」と質問しても、「よく分からない」「こんな感じで・・・」と非常に曖昧に答える事がほとんどです。

 

これは、自転車に乗れる人が「どうやって乗っているのか?」「なぜ、こけないのか?」と質問されても、明確に答えられないのと同じです。
このように、プレーヤーと評論家は全く別の存在なのです。

 

分析された知識をたくさん得れば、得る程、一流の評論家に近づきます。
そして、経験を積み重ねれば、重ねる程、一流のプレーヤーに近づきます。

 

あなたの周りにもいると思います。
技術論に関しては非常に詳しく雄弁に語るにも関わらず「実際のプレーは全く違う」と言う方が。

 

こういう方を見ると正しい知識を得れば、上達できるわけではないのがお分かりになると思います。

頭で分かると身体が出来るようになると思う勘違い

では、なぜ、上達出来るわけでもない知識やノウハウが氾濫するのか?

 

一番の理由は「頭で分かると身体が出来るようになる」という勘違いです。
と言うより、「頭で理解する事(イメージする事)は上達への早道」または「まず、頭で理解できない(イメージ出来ない)と出来ない」という常識と言ったほうが良いかもしれません。

 

ですが、これは大きな勘違いです。
頭で分かる(イメージ出来る)事と身体で習得する事は全く別の事です。

 

頭で理解し、イメージが出来たからと言って、上達が早くなるわけではありません。
むしろ、頭で理解すれば、するほど、上達は出来なくなります。

 

日常の生活で身に付いている動きを考えてみてください。

 

例えば。
「なぜ、自転車に乗れるのか?」頭で理解しているでしょうか?
また、頭で理解したから乗れるようになったのでしょうか?

 

「なぜ、お箸を使えるのか?」頭で理解しているでしょうか?
また、頭で理解したから乗れるようになったのでしょうか?

 

違うと思います。
「身体が覚える」「身に付く」とはこういう状態を言います。

 

テニスが上達する為にもこれらの動きと同じ過程を辿る必要があります。

 

ところが実際にはテニススクールを始め、ほとんどの指導や練習方法はそうではありません。
その理由の一つは頭で理解させる事の方が簡単だからです。

 

実際に身につけるにはそれなりの経験量と時間が必要です。
ですが、知識や情報があれば、それによって、頭で理論を構築する事は簡単です。

 

その為に、コーチや指導者も「まずは頭で理解してから練習した方が上達が早い」「頭で理解できない事は身体は出来ない」と思っているのです。
実際に私自身も大脳生理学を学ぶまではそう思っていました。

 

ですが、それは勘違いです。
頭で理解しても上達が早くなるわけではありません。
むしろ、非常に難しくなり、遅くなります。

 

テニスが上達する一番の早道は赤ちゃんと同じように知識を持たないで練習する事です。

知識が上達を邪魔する理由

知識が上達を邪魔する理由は脳の使い方の違いです。
知識やノウハウは理論、理屈を司る左脳で処理されます。

 

ところが、テニス等の運動は右脳を活用する必要があります。
ここに大きな違いが生まれます。

 

右脳は理論や理屈、思考、言語を持たない脳です。
その代わりに感覚や直感やイメージなどを司ります。

 

自転車が頭で理解していないのに乗れる理由は右脳で処理しているからです。
自転車に乗れない時期の失敗の経験が感覚情報の元になり、自転車に必要なバランス感覚が右脳に構築されていきます。
この回路が完成した時、何も意識しなくても自動的に乗れるようになります。
そして、また、この回路が完成すると今度はコケる事が出来なくなります。

 

これに対し、知識やノウハウを知ってから練習をするとどうなるか?
実は知ってしまった知識やノウハウを使おうとしてしまう為に、既に左脳に支配されて練習する事になります。

 

また、実際にテニスの指導の現場では、頭で理解した(イメージ出来た)事を意識して練習するように指導されます。
その為に、頭は常に左脳が優勢で練習しています。

 

ところが、残念な事にこの状態では運動を身につける事が出来ません。
増してやテニスのような繊細なスポーツが中々上達できないのは当然の事です。

 

ちなみに自転車に乗れない人に事前に知識やノウハウを与えてから練習すると自転車に乗る事も非常に難しくなります。
大人になってから、自転車に乗る練習をすると非常に難しくなるのはその為です。

 

いずれにしても、テニスのようなスポーツや運動に関しては知識やノウハウは知れば知るほど、難しくなり、上達が遅くなります。
「正しい情報なのか?」「分かりやすいノウハウなのか?」は全く関係がありません。

 

どんなに正しくて、どんなに分かりやすくても、左脳を使ってしまう時点でそれは上達の邪魔になってしまいます。
ノウハウコレクターが生まれてしまう理由はその為です。

 

あなたにはぜひ、この事を知ってほしいのです。
そして、知識やノウハウに頼らずに練習してほしいと思います。

 

確かに何も知らずに練習するのは不安かもしれません。
ですが、安心してください。

 

あなたには素晴らしい自己修正能力が備わっています。
何も考えずに練習すれば、自然とこの能力が働き始めてくれますから。

年齢を重ねると嫌でも知識は増えます

40歳を過ぎると急激に上達が遅くなるのは知識の量が増える事も大きな原因の一つです。
年齢を重ねるとどうしても、色々な知識が頭に入ってきます。
これらの知識が上達を邪魔します。

 

もちろん、自分の体験から得た物、いわゆる知恵であれば、全く問題は無いのですが、中には経験を伴わず、活字や映像だけの知識が数多く存在します。
先ほどもお話ししたようにこれらの知識は左脳を優勢に働かせる原因になります。

 

ですから、本来は知識やノウハウは知らない方が良いんです。
だから、子供達はみるみるうちに上達していくわけです。

 

ですが、大人になるとそういう訳はいきません。
では、知識やノウハウを知ってしまうと上達できないのか?

 

いいえ、そんな事はありません。

 

左脳ではなく、右脳を積極的に働かせるような練習をすれば良いんです。
右脳を積極的に働かせる練習は知識やノウハウを使った練習ではありません。

 

全く真逆の練習です。
何も考えず、ただ、ボールに集中して「打つだけ」
とてもシンプルで簡単です。

 

「何も考えずに練習しても上達できないのでは??」と思うかもしれません。
でも、結果は逆です。

 

脳と身体に備わっている自己修正能力が最大限に活用されるので、驚くほどテニスが簡単に上達できます。

 

このあたりの詳しい方法については無料メルマガや無料レポートでご紹介しています。
良かったら、この機会に一度学んでみてください。

 

テニスは年齢に関係なく上達出来る事を実感していただけると思います。

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