脳波と集中力の関係
脳波と意識状態
私達の脳は非常に微弱な電気パルスを使い情報の伝達をしています。
そして、その微弱電流は周波数を発生させます。
その波形は私達の意識の状態と密接な関係がある事がわかってきました。
それぞれの関係は下記の通りです。
γ波:怒り
β波:緊張
α波:集中
θ波:まどろみ
δ波:熟睡。
この事からテニスが上達する為には何が必要かが解ってきました。
脳がα波状態の時、プレーヤーは非常に高い集中状態に入ります。
この時プレーヤーは非常に高いパフォーマンスを発揮します。
それに対し、β波状態の時、プレーヤーのパフォーマンスは著しく低下します。
つまり、テニスが上達する為の絶対条件はα波状態になる事と言えます。
いくら一生懸命練習をしても脳波がβ波状態ではなかなか上達する事が出来ません。
α波状態になると脳の中は活性化され、脳神経細胞のネットワークを作るには最適の状態になります。
その為に、新しい経験を短時間で記憶する事が出来ます。
この事がテニスが短時間で上達する事に繋がります。
同じ練習を同じ時間行ってもα波状態とβ波状態ではその記憶スピードには雲泥の差があります。
これが上達スピードの差を生み出す大きな原因の一つです。
例えば、子供達がアニメや漫画など自分に興味がある事を記憶する能力はとても素晴らしい物です。
ところが、学校の勉強になるとそうでない場合がとても多いのは容易に想像出来ると思います。
これこそがまさにα波状態とβ波状態の違いです。
集中状態の勘違い
集中する事の必要性はプレーヤーであれば誰もが知っていると思います。
その為に、プレーヤーはそれぞれ自分なりに集中してプレーしようとしている物です。
ところが、ほとんどのプレーヤーは集中する意味、また、集中状態の認識を勘違いしています。
多くのプレーヤーは集中力を高める為に、自分で意識して「集中しよう」とします。
ところが、実は「集中しよう」と意識している時、脳はβ波状態になります。
この状態は高いパフォーマンスは期待できない状態です。
これは勉強をしている子供達にも同じ事が言えます。
例えば、試験前などは「勉強を覚えよう」とします。
ところが、残念な事にこうして勉強している時ほど逆になかなか覚える事が出来ません。
これは脳波がβ波になっているからです。
ところが好きな漫画やアニメを見ている時は「覚えよう」としていません。
ただ、自分が興味を持っている物に没頭しているだけです。
これこそがα波状態です。
これはテニスの上達にも全く同じ事が言えます。
「上達しよう」「集中しよう」と意識している時は脳波がβ波状態になり、α波状態にはなれません。
つまり、自分の望む状態とは逆の状態になってしまうのです。
その為に、努力が空回りする状態になります。
これが努力が上達と比例しない一番大きな理由です。
ところが、自分の脳波状態を知る事が出来、また、集中する感覚が分かるようになるとこの空回りが無くなります。
つまり、努力した分だけ自然と上達する事が出来るようになるわけです。
その為にはまず、「本当の集中力、また集中状態とはどのような物か?」を経験する事がとても重要です。
そして、この感覚が分かったプレーヤーは周りに比べると驚異的に短いスピードで上達する事が可能になります。